有人受付の見積もりを取る前に、受付時間、来客が重なる時間、人の判断が必要な用件をそろえます。来客がない時間も窓口を開けておく体制と、担当者がその都度迎える体制では、同じ件数でも必要な配置と費用が異なります。

木製受付カウンターに計算機とノートを置き、応対用の椅子と端末を配置した架空の検討イメージ
木製受付と応対席・端末を組み合わせる検討イメージ。実製品・施工事例・実際の打ち合わせ記録とは異なります。

人が担う役割と、窓口を開ける時間を決める

厚生労働省のjob tag「受付事務」では、来訪目的の把握、担当者への連絡、訪問先の案内などが挙げられています。自社では、取り次ぎに加え、予約のない来訪、訪問先が不明な相談、会議室への案内を誰が担うか確認します。

  • 応対の範囲:用件の確認、連絡、出迎え、入館の判断、荷物の受け渡しを分けます。機器に任せる業務と人が引き継ぐ業務を決めます。
  • 対応する時間:始業前後、昼休み、面談が重なる時間、休暇・欠勤時を含めて、窓口を開ける必要があるか確かめます。
  • 応対の条件:端末を使いにくい来訪者や、予定と異なる用件を相談できる人を確保します。担当者不在時の連絡先と待機場所も決めます。

機器を置いても、来訪者を出迎える人や入館を判断する人まで不要になるとは限りません。受付方法の選び方は来客対応から選ぶ受付の導入判断、引き継ぐ順番は不在・無応答時の受付フローが参考になります。

必要な応対をそろえて、三つの体制を比べる

受付体制ごとの役割と費用項目
体制合う条件費用と運用の確認
受付に常駐する用件の判断や対面案内が継続して必要で、来客が重なってもその場で応対したい。受付時間をカバーする配置、休憩・休暇の代替、採用・教育・引き継ぎ。担当者の実作業時間だけで配置費を見積もらない。
時間帯別に配置する面談や来客が集中する時間がわかり、その他の時間は担当者が直接迎えられる。配置する時間、時間外の応答先、引き継ぎ、予定外の訪問。配置しない時間の社内対応も数える。
機器と人を併用する定型の呼び出しを機器に任せ、相談・案内・例外対応を人が受け持つ。端末・利用料・通知や連携、設定変更、故障時の代替、人による出迎えや補助。案内画面だけで呼び出し機能が使えるとは限らない。

費用を比べる各案で、受付時間と提供する応対をそろえます。常駐を短時間配置に変える場合は、費用の差と一緒に、窓口が不在になる時間と補う方法を示して社内で判断しましょう。

年間費用は、初期・継続・臨時の支出から比べる

見積もりの条件は、対象拠点、受付日と時間、配置人数、端末台数、必要な通知方法までそろえます。税抜・税込、契約期間、料金に含まれる作業、解約・更新・機器交換の条件を確認してください。

人を配置する費用

自社雇用なら給与・手当・賞与、会社負担の社会保険等、採用・教育、代替要員、制服や備品を確認します。委託・派遣なら、配置時間、欠員時の対応、管理費、教育の範囲を見積もりで確かめます。月給に含まれる時間や、委託料に含まれる教育費・代替対応費を重ねて足さないようにします。

機器と空間を整える費用

端末、スタンド、木工什器、電源・通信、設置工事、初期設定、担当者情報の登録、案内表示の制作を確認します。利用料以外にも、通知、外部サービスとの連携、保守、端末交換が別料金になるかを確かめます。必要な機能の料金体系はサービスごとに異なります。

社内に残る時間と、初年度だけの費用

出迎え、操作の補助、通知先の更新、清掃、障害時の連絡を行う担当と所要時間を見積もります。社内の給与支出と、その社員の作業時間を換算した額は別に確認し、同じ時間を二重に費用へ計上しません。

初年度の支出 = 初期費用 + 継続費用の12か月分 + 採用・教育・交換など、その年に発生する臨時費用

翌年度は、実際に発生する更新・交換費用を入れ直します。すでにある設備の支出と、各案で新しく必要になる支出を区別すると、変更のためにいくら増減するかが分かります。

短縮した時間と、実際に減る支出を区別する

計算例(仮定):社員が取り次ぎを兼務する場合

来客を1日30件、月20日、社員の取り次ぎを1件2分と仮定すると、月の対応時間は30件 × 20日 × 2分 ÷ 60 = 20時間です。来訪者が待つ時間や出迎えの移動時間は、この条件には含めていません。

機器の導入後に取り次ぎが1件1分となり、設定変更等に月2時間かかると仮定すれば、10時間 + 2時間 = 12時間です。差の8時間は、ほかの業務へ振り向けられる時間として評価します。

  • 時間の換算額:社内の評価単価を仮に1時間2,000円とすれば、8時間 × 2,000円 = 月16,000円相当。実際の賃金やサービス価格を示す値ではありません。
  • 追加の支出:機器等の初期費用を税抜12万円、利用料を税抜月2万円と仮定すると、初年度は12万円 + 2万円 × 12 = 税抜36万円。別途の工事・保守・交換費があれば加えます。
  • 比較の結果:月16,000円の工数換算額だけでは月2万円の利用料を上回らず、初期費用も必要です。待ち時間や案内品質を含めて継続する価値があるか、条件を変えて試算します。

兼務する社員の給与や勤務時間が変わらなければ、8時間を短縮しても、そのまま給与支出が減るわけではありません。実際に減らせる委託時間や残業等がある場合は、その支出の変化を別に計算します。導入費用を回収する期間は、継続的な支出削減が追加の継続費用を上回る場合に限って見積もります。

企業事例は、変更前の体制と移行条件を見る

RECEPTIONISTが公開するランドネットの事例では、従来は専任スタッフ3名が来客の案内や取り次ぎを担っていました。欠員を機に機器の導入を検討し、既存のLINE WORKSの個人・課のグループへ通知する運用へ変えています。

導入時にはスタッフが操作を案内する期間を設け、社内への周知や担当者名の事前案内も行ったと紹介されています。費用比較には、こうした移行時の応対と周知の作業も含めます。

この事例の削減額を自社へそのまま当てはめず、専任か兼務か、欠員補充の有無、残る応対と機器の継続費用を照らし合わせます。提供者が掲載した個別事例であり、すべての職場で同じ削減が生じるものではありません。

試用では、金額と迎え方を一緒に確かめる

  1. 同じ条件で現在の応対を記録する。予約あり・予約なし、来客が重なる時間を分け、取り次ぎ・出迎え・例外対応にかかった社員の時間を記録します。測り方は受付改善の記録と比較方法で確認できます。
  2. 機器を使った後の人の対応も数える。通知への応答、迎えに行く移動、操作補助、担当者不在時の引き継ぎを確認します。待ち時間と社員の作業時間は分け、複数人が動く場合は各人の時間を把握します。
  3. 不在・操作困難・故障の場面を試す。代替の連絡先、待つ場所、復旧までの応対担当を確認します。無人受付の導入前チェックも役立ちます。
  4. 実際の支出と負担で決める。見積もりを更新し、短縮できる業務、残る業務、追加の維持作業を比較します。人の応対を残す時間を調整し、困っている来訪者がいないかも確認します。

待ち時間が伸びる、呼び出しに誰も気づかない、補助する社員の負担が増える場合は、料金が安くても運用を見直します。費用の削減目標と、守るべき応対の条件を一緒に決めておきましょう。

木工什器と案内表示で、対面と機器の接点を整える

人が応対する位置、来訪者が操作する位置、待機する場所を近づけすぎないように配置します。木の天板で声をかけられる場所を確保し、端末や画面は立位・座位から見えるか、荷物を持ったまま操作できるかを試します。

画面や固定サインには、受付方法と待機場所を示します。表示だけで担当者へ通知できるとは限らないため、必要な連絡の仕組みを別に確認してください。配線、電源、交換や清掃のための開口も見積もりに含めます。

受付カウンターの高さ・設備・配線と案内表示の配置と文例を合わせると、人と機器の役割に合う入口を検討できます。

関連資料と出典

情報確認日:2026年10月17日

人と機器の役割に合う受付を相談する

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