同じ木目の受付でも、表面が突板なのか、どの塗装を使っているかで、手入れの条件は変わります。書類を書く天板、眺める正面、清掃する面を分けて、材料・仕上げ・使える用品を確かめましょう。担当者が替わっても同じ手順で扱えることまで、選ぶ条件に入れます。

木製受付カウンターの木目と端部、仕上げ見本を比べる架空の空間イメージ
木の表情と天板の使い方を合わせた配置イメージ。mokuture+の実製品・施工事例とは異なります。

受付で行うことから、必要な面を決める

受付カウンターには、来訪者が使う天板、入口から見える正面、機器や備品を収める内側など、役割の異なる面があります。すべてを同じ材料・同じ見せ方にする前に、触れる場所と眺める場所を分けて整理します。

  • 記入する面:書類を広げる、筆記具を動かす、バッグを一時的に置く動作を想定します。凹凸、天板の端、機器との干渉を実物や見本で確認します。
  • 見せる面:入口から見える木目の向き、面のつながり、床や壁との色の関係を考えます。正面の見え方と、近づいたときの印象を両方確かめます。
  • 手入れする面:手が触れる頻度、こぼれた水分の処理、端末のまわりを拭く動作を整理します。使う清掃用品も設計担当者へ伝えます。

例えば、書類の記入がある受付では、タブレットの横に実際の書類を広げてみると、必要な余白を判断できます。電話だけで呼び出す受付と同じ奥行きで決めず、受付カウンターに必要な機能と設備も合わせて確認してください。

無垢材・突板・木目柄の化粧材を区別する

同じような木目に見えても、材料の構成は異なります。樹種名だけでなく、表面に何を使うか、内部の基材は何か、端部をどう仕上げるかまで確認すると、完成後の見え方や手入れを相談しやすくなります。

材料の構成と、相談時に確認したいこと
無垢材幅はぎ材集成材無垢材は原木から切り出した木材です。幅はぎ材や集成材は、木材を接着して面をつくります。ひと続きの一枚板と、接合のある材では木目の見え方が変わります。確認すること節・色の幅、接合部の見え方、端部の形状、設置環境に合わせた構造と仕上げ。
天然木の突板薄く切り出した天然木を、合板などの基材に貼った構成です。表面には本物の木を使いますが、天板全体が同じ樹種の木材でできているわけではありません。確認すること基材、木口の処理、表面の厚みと塗装、傷がついた場合に補修できる範囲。
木目柄の化粧材木目を柄として表した仕上げ材です。例えば木目柄のメラミン化粧板は、天然木の突板とは構成も触れた感じも異なります。確認すること見本での質感、端部の納まり、表面の性能、使用できる清掃用品。

材料の構成や加工の違いは、イトーキの木材加工の解説と、カリモク家具の天板素材の解説で確認できます。どれを選ぶかは、見た目だけでなく、用途、寸法、仕上げ、予算との組み合わせで考えます。

天然木の表面を深く研磨できるかは、材料の構成や表面の厚みによって異なります。傷を直すときは自己判断で削らず、製作元へ補修方法を確認しましょう。「木製だから同じ手入れでよい」と決めないことが大切です。

木目と仕上げを、設置場所で比べる

画面上の写真だけで色を決める前に、候補の仕上げ見本を床・壁・照明のそばに置いてみてください。木の色だけでなく、木目の向き、つや、文字や画面の見やすさも比べられます。

  1. 入口から見る:来訪者が最初に見る位置から、受付の正面と背景を一緒に確認します。小さな見本で決めにくい場合は、広い面を使った写真や大きめの見本を相談します。
  2. 近づいて触れる:天板の端、角、木口を確認します。書類や袖が触れる場所を想定し、形状と触り心地を比べます。
  3. 実際の光で比べる:窓から光が入る時間と、照明で使う時間に見本を確認します。つやのある面では、反射で案内や端末が見えにくくならないかも点検します。

天然木には色や木目の個体差があります。見本を基準に、節や色の違いをどこまで受け入れるか、隣り合う面の木目をどう見せるかを製作元と共有します。案内表示との関係は、受付の案内表示の配置と文例で整理できます。

組子や和紙を取り入れる場合は、左右の経路から見える面、光源、案内画面を一緒に確かめます。Type B・C・Dの意匠と、素材・光を比べる手順で、昼と夕方の見え方や会社名の配置も確認できます。

清掃方法と使う場所の条件を確認する

「突板」は材料の構成、「オイル仕上げ」「ウレタン塗装」は表面の仕上げを示します。天然木というだけで手入れを決めず、仕様書や製品ラベルで両方を確認してください。分からない場合は、製品名と設置時の資料を製作元へ伝えて確かめます。

表面仕様ごとに、導入前に確かめる手入れの条件
オイル仕上げの木部日常の拭き方と、オイルを使う追加の手入れを分けて確認します。追加作業の前に適合する用品、作業する人、乾燥中に受付を使わない時間、使用済みの布の処理を製作元へ確認します。突板を含む面は、自己判断で研磨しないようにします。
ウレタン塗装の木部拭き方、使える洗剤、避ける用品を、購入する製品の説明書で確認します。用品を選ぶときにオイル仕上げ向けの手入れをそのまま転用しません。傷やつやの変化を直したい場合は、オイルを足す前に補修の相談先へ連絡します。
木目柄のメラミン化粧板天然木の突板とは構成が異なります。表面の品番やつや、端部の仕上げと、使用できる清掃用品を確認します。受付で使う条件筆記具、荷物、清掃用品が触れる場所を見本で確かめます。天然木へのオイル手入れを前提にせず、採用品の方法に合わせます。

レグナテックのお手入れ案内は、塗装の種類を先に確認し、ウレタンとオイルで手順を分けています。同社のウレタン塗装品には、同社推奨のメンテナンスオイルを使っても効果がないとされています。用品名だけで選ばず、対象となる仕上げを合わせるための参考になります。

PLUSの木目柄家具の案内では、突板とメラミンの違いに加え、同社の木製家具について水滴の拭き取りやアルコール除菌への注意を示しています。毎日使うクロス、洗剤、除菌用品の製品名を製作元へ伝え、採用する面で使えるものを決めてください。

水や飲み物をこぼしたときは、液を残さず、強い洗剤を足さない

まず、柔らかい乾いた布で残った水分をすばやく拭き取ります。残る染みを落とそうと別の洗剤や研磨材を重ねる前に、製品の説明書を確認します。塗装の白化、浮き、べたつきが残る場合は、場所と状態を写真で伝えて補修を相談します。

カリモク60の木部のお手入れ案内も、水気をすばやく拭き取り、乾燥させるよう案内しています。洗剤の種類や濃度、水拭きの可否は、使う什器の説明書を優先してください。

除菌用品を置くなら、ボトルから液が垂れる位置と、トレーを置く範囲も決めます。直射日光、空調の風、入口から持ち込まれる雨水を確認し、清掃する人が端末や配線へ液をかけずに拭ける配置にしましょう。機器を扱う手順は、木部の手入れと分けて各説明書に合わせます。

機器・配線・交換のしやすさを計画する

タブレットやサイネージを置く場合は、機器本体だけでなく、スタンド、電源アダプター、コネクターまで含めた寸法を確認します。配線を隠す見え方と、交換・清掃のために開けられる構造を一緒に考えます。

  • 手の届き方:天板と機器を実際の高さに仮置きし、立った位置と座った位置から操作を試します。読みづらい、手が届きにくい場合にスタッフへ相談できる案内も考えます。
  • 配線の通り道:ケーブルだけでなく、コネクターを通せるかを確認します。抜き差しする場所、電源タップに手が届く場所を図面に記録します。
  • 機器の設置条件:機器の説明書で必要な空間や設置姿勢を確認し、木部や備品で換気口をふさがない配置にします。
  • 更新と交換:端末を取り外すときに天板を壊さず作業できるか、将来の機器変更をどこまで想定するかを確認します。

電源や通信の工事が必要な場合は、ビルの管理者と施工担当者へ確認します。サイネージの導入条件は、オフィス受付のデジタルサイネージ導入ガイドも参考になります。

実寸で試し、見積もりと引き渡しを確認する

完成後に困ることを減らすため、図面の寸法を読むだけでなく、仮の天板や紙の型で動作を試してみましょう。次の順序で確認すると、相談時の条件をまとめやすくなります。

  1. 使う物を並べる:書類、筆記具、タブレット、内線電話、案内板などを予定位置に並べます。機器を使う人と手荷物を置く人が同時に近づけるか確認します。
  2. 設置場所を確かめる:床に紙やテープで什器の範囲を示し、扉の開閉、待機する人、通り抜ける人の動きを試します。搬入経路と組み立て場所も確認します。
  3. 見積もりの範囲をそろえる:材料、塗装、端部、機器用の加工、収納、搬入・設置、電源・通信工事を分けて確認します。金額を比べるときは、含まれる作業をそろえます。
  4. 引き渡しに備える:清掃方法、機器の取り外し方、日常点検、補修窓口を確認します。担当者が替わっても参照できる場所に資料を残します。

清掃担当者へ引き継ぐ5項目

受付の天板と正面を一括して「木部」と呼ばず、面の写真と次の項目を対応させて共有します。清掃会社や担当者が替わる場合も、同じ資料を渡してください。

  • どの面か:天板、正面、端部などの位置と、製品名・材料構成・塗装名。仕様を特定できる資料の保管場所。
  • 普段どう拭くか:使う布、乾拭き・水拭きの可否、拭いた後の仕上げ。端末や配線の近くで避ける動作。
  • 何を使えるか:確認済みの用品名と使用条件、使わない用品。用品を変更するときに確認する相手。
  • どこから相談するか:落ちない染み、つやの変化、浮き、欠けなどが出た場合の連絡手順。研磨・再塗装・オイル塗布を誰が行えるか。
  • いつ作業できるか:受付を止める必要がある手入れの担当、作業時間、乾燥や再使用の条件、製作元・補修窓口の連絡先。

木の美しさを長く活かすには、使い方と手入れまで具体的に決めておくことが役立ちます。最初からすべての仕様を確定できない場合も、「どの面をどう使うか」「何を置くか」「どう清掃するか」の3点を共有すると、材料や形を相談する土台になります。

木の素材感と受付の使い方を相談する

mokuture+では、木工什器とデジタルサイネージを組み合わせたオフィス受付について、ご相談を受け付けています。設置場所の写真や、受付で使う機器・清掃方法など、具体化前の条件からお聞かせください。

問い合わせへ進む