受付の正面では会社名が読めても、廊下の左右から近づくと、模様や光の陰に隠れることがあります。入口までの動線を歩き、木の表情が変わる位置と、会社名・受付方法を読める位置を確かめましょう。意匠を楽しめる見え方と、迷わず受付できる案内を両立させる手がかりになります。
会社らしさを、確かめられる要素にする
「落ち着いた受付」「技術を感じる入口」といった言葉だけでは、担当者ごとに思い描く形が変わります。まず、来訪者に見てほしいものと、受付でしてほしいことを一つずつ挙げます。例えば「木工の細部を見てほしい」「会社名を確かめてから受付端末へ進んでほしい」という組み合わせです。
そこから、木の模様を見せる面、会社名の位置、端末の置き方を考えます。コーポレートカラーを広い面に使う案と、ロゴや案内の一部へ絞る案も、床・壁・什器を含めて並べると選ぶ理由が明確になります。
候補を比べるときは、「入口から受付が見つかるか」「必要な案内が読めるか」「見せたい細部が見えるか」を確かめます。形を選んだ理由と、来訪者が実際に使う条件を一緒に共有してください。
Type B・C・Dの形と込めた思いを比べる
会社の歩みを大切にする、異なる専門性をつなぐ、一人ひとりの持ち味を活かす。受付で表したい姿勢があれば、形の好みと合わせて意匠を比べてみてください。mokuture+の10月25日の公式発信では、Type B・C・Dそれぞれの形と、そこに重ねた思いを紹介しています。
| 意匠 | 形の特徴 | 込めた思い |
|---|---|---|
| Type B Indomitable | 高さや大きさに差のある凹凸。 | 歴史と経験をつなぎ、前へ進もうとする意志の強さ。 |
| Type C Resonance | 前後に出入りするジグザグの形。 | 違いを保ちながら、異なるもの同士がつながる姿。 |
| Type D | 向きが異なる面の集まり。 | 人や素材の個性が集まり、つながりを生むこと。 |
凹凸・前後の出入り・面の向きを、見本で確かめる
- Type Bの凹凸:見本や試作を確認できる場合は、近くで見る細部と、入口から見える輪郭を比べます。大小の部分がどのように並び、光でどこに影ができるかを確かめます。
- Type Cの前後の出入り:正面と斜めから見て、前へ出る部分と奥へ入る部分の重なりを比べます。背景の壁やロゴと一緒に見たとき、形の連なりがどう見えるかも確認します。
- Type Dの面の向き:左右の通路から近づき、どの面が先に見えるか、受付前で見える面とどう異なるかを比べます。
候補を相談するときは、「Type Bの凹凸が好み」「Type Cに込めた、違いを残してつながる考え方が自社に合う」など、形と理由を具体的に伝えます。設置予定場所の写真、会社名を置く位置、案内に使う機器も合わせると、空間全体で検討しやすくなります。
Type Dは、行きと帰りに見える面も比べる
たとえば、エレベーターから右へ進む来訪者と、会議室から左へ戻る人では、同じ什器でも目に入る部分が異なります。正面の印象だけでなく、行きと帰りにどの面が見えるか、木目や陰影がどう重なるかを比べると、置く向きを選びやすくなります。10月24日の公式発信でも、近づく方向による表情の違いを紹介しています。
変化を楽しむ面と、案内を読む面を合わせる
模様を見せたい方向へ什器を向けても、会社名や受付方法が斜めになって読みにくくなれば、来訪者は立ち位置を探すことになります。左右それぞれの通路から会社名を探し、受付前で操作方法を読んでみてください。必要に応じて、案内を別の読みやすい面へ置く方法も比べます。
mokuture+は試作開発中です。対応できる意匠・寸法・設置条件・導入時期は、ご相談の際にご確認ください。
組子・和紙は、光を重ねて見え方を比べる
組子の細かな模様と、和紙のやわらかな表情は、入口で見せたい雰囲気に合わせて比べられます。mokuture+は10月23日の公式発信で、組子や和紙の意匠を、迎える場所らしさに合わせて選ぶ考え方を紹介しています。
候補の見本は机に寝かせた状態だけで選ばず、設置する向きに立てて光を当てます。模様、透け方、周囲の色をそれぞれ比べてください。
- 木の模様と陰影:正面だけでなく斜めからも見て、細い線、部材の厚み、影の重なりを確認します。背景の色を変えたときの見え方も比べます。
- 和紙の表情:表側から照らす案、背面から透かす案など、予定する構成の見本で比べます。紙の種類や重ね方を決めつけず、透け方や光のむらが意図に合うかを確認します。
- 木と周囲の色:木の面だけを強く照らした場合と、壁や床も見える場合を比べます。面のつや、ロゴの読みやすさ、近くの画面との明るさの関係も見ます。
照明を組み込む場合は、光源の位置に加え、材料との間隔、発熱、清掃・交換の方法を設計担当者へ確認します。材料や照明器具の条件を満たす構成を選び、見た目の試作だけで製作仕様を確定しないようにしましょう。木材・仕上げそのものの選び方は、木製受付什器の材料と手入れで確認できます。
案内画面と照明を調整する
模様や素材へ目を向ける光と、文字を読み取るための画面は、同じ位置から一緒に見えます。装飾側の照明を決めたあとで端末を追加するより、採用予定の機器に実際の案内を表示して、両方を調整するほうが検討を進めやすくなります。
木の模様のそばに、受付の案内を置くなら
まず会社名と受付方法を読む位置を決め、模様や光源が文字の背景に重ならない案を試します。次に、窓や照明が画面に映って読みにくくないか、画面だけが強く目立っていないかを確認します。画面の向き、照明の向き、表示の配色を一つずつ変え、改善した条件を残します。
画面の明るさや照明の数値を、どの受付にも共通する値として決めることは避けます。窓の向き、使う時間、画面の種類によって現場の条件が変わるためです。モデュレックスのTHE CAMPUSの照明事例でも、エントランスは自然光を考慮し、天候と時間に応じた明るさを計画しています。導入する機器の調整方法は提供元に確認し、設置場所の窓と照明に合わせて試してください。
画面に載せる内容は、受付方法・待機場所など次の行動に必要な案内から整理します。会社紹介を見せる場合も、その案内が読める状態を先に確かめます。具体的な文例は、受付の案内表示の配置と文例を参考にしてください。
入口・操作位置・待機位置で見比べる
完成予想の正面画像だけで選ばず、来訪者が歩く経路と立ち止まる場所から見ます。左右からの見え方を比べる際は、同じ距離・同じ照明の状態で立つと、面の向きによる違いを確かめやすくなります。
| 見る場所 | 確かめること |
|---|---|
| 入口から | 左右の通路と扉の前から会社名・受付位置が見つかるか。通路上で立ち止まらずに受付へ進めるか。近づく間に見える面と陰影も比べます。 |
| 端末の前から | 実際の案内を読み、操作を試します。立った位置と座った位置で、文字の見え方、照明や窓の映り込み、手の届き方を確認します。 |
| 待機する場所から | 座席や立って待つ位置から、必要な案内が読めるか。木工の細部を近くで見たときと、少し離れたときの違いも比べます。 |
窓が正面にあって会社名を置きにくい場合は、採光とサインの設置を一緒に検討します。オフィス木製家具デザインの2023年7月のエレベーターホール事例では、窓の前に格子を設け、そこへサインプレートを取り付けています。格子そのものの表情に加えて、会社名を見つけるための面をどう確保するかが参考になります。
受付カウンターの高さ、足元の空間、機器の接続部は、高さ・設備・配線を確認する手順へ分けて整理できます。見え方の確認と、身体を動かして使う確認を同じ打ち合わせで行うと、修正すべき箇所を共有しやすくなります。
素材見本と実画面を使い、昼と夕方に試す
相談時には、次の順序で候補を比べてみてください。写真を残す場合も、現場で見た感想や読みづらかった箇所を添えます。写真だけでは、明るさや素材の細部を同じように伝えられないためです。
見本と画面を予定位置へ置く
候補の木・和紙・仕上げ見本と、案内を表示した採用予定機器を並べます。壁・床・ロゴが一緒に見える向きで、比較する条件をそろえます。
昼と夕方、左右の経路と三つの位置から見る
自然光が入る時間と照明中心の時間に、左右の通路から受付へ近づき、入口・端末前・待機位置から見ます。会社名が見つかる位置、模様の見え方、画面の反射を比べます。ブラインドと照明の状態も記録します。
一つずつ変え、選んだ理由を残す
例えば、画面の反射が気になるなら向きを変え、それから照明を調整します。「昼の端末前では案内の一部が読みにくい」など、場所・時間・問題を具体的に残して設計へ戻します。
清掃と交換後の見え方も確かめる
格子や和紙の清掃方法、光源・画面を交換する際の手順を担当者へ確認します。清掃用品や仮の掲示が案内を覆わない置き場所も決め、日々の使い方につなげます。
素材を選ぶ理由と、来訪者が案内を読める条件をセットで残す。それが、会社らしい表情を具体的な設計へつなぐ土台になります。
木の表情と案内の見え方を、一緒に考える
mokuture+では、木工の受付什器とデジタルサイネージを組み合わせた入口づくりのご相談を受け付けています。設置場所の写真、素材の候補、案内したい内容など、具体化前の条件からお聞かせください。
問い合わせへ進む